BLACK RIBBON DIARY.

サブカル好きな主婦の雑記です。

Mさん

「人から特別素敵だと見られたい、思われたい」と常々思っていた(と最近気づいた)私。

 

とにかく、見た目を華やかにすることに夢中になっていた。そうすることがアイデンティティの一つでもあったし、そうやって自分の心とプライドを守りながら、生きてきたから。

 

 

以前パートしていた職場にいた、大学生の女の子Mさん。彼女は女優さんのような綺麗な顔をしているのに、出勤する時は部屋着のような服装に使い古したショッパー、ノーブランドのスニーカー。私は勝手に、「勿体ないな。」なんて思いながら見ていた。

 

媚びない、無駄話しない、淡々と確実な仕事をするMさんに魅力を感じていく自分に気づいた。話しかけても愛想もなく、必要最低限の返答しかしないのに、全然嫌な気持ちを与えない。他の学生さんとは一線を画す、クールさと大人っぽさ、確たる自分の考えを貫いている。私が今まで出会ったことがないタイプの子だった。

 

私がその職場で働き始めて、数ヶ月経った頃。掛け持ちで、新しくオープンするアパレルショップで働き始めることになった。私は嬉しくて、職場の人達にそのことを話していた時、近くに居た彼女にも「オープンセールがあるから、是非来てね」と言ってみた。

 

彼女は無表情のまま

 

「なんでですか?」

 

と、即答した。

 

ついさっきまで皆と、セール楽しみだねとワイワイ盛り上がっていただけに、思いもよらない素っ気ない返答に、衝撃を受けた。自分が何と返事したか、忘れてしまう程。

 

それでも私は、そんな彼女に感動していた。私が逆の立場なら「タイミング合えば顔出しますね〜」とか、当たり障りのない返答をするから、相手にもそんな反応を期待していたんだと思う。何のためらいもなく、ばっさり切捨てるMさんに惚れ惚れした。

 

Mさんは、就職先の研修が始まるギリギリまでバリバリ働き、クールに去って行った。言うまでもないが、第一希望の職に就けたみたいだった。

 

 

私はずっと、ナチュラルに自分を貫いてたクールなMさんに憧れていた。本当に素敵な人とは、自分のやるべきことを淡々とこなしながら、目標を持って努力しているMさんみたいな人のことだと気づいた。

 

そして偶然、ショッピングセンターでMさんと再会した時。彼氏さんと一緒にいたMさんは、バイトに来ていたスタイルとは違う、お洒落で可愛い女の子だった。力の入れ方というか、onとoffの使い分けをしていたんだなと気づいて、また更にMさんのことを好きになった。

 

 

いつも、自分の自尊心の高さと、見た目の派手さ、それに釣り合わないチキンな心のアンバランスさに「このままじゃ駄目だ」と思っていた。不完全な自分に、自信を持てずにいた。

 

だから、人の良い所が目につくと、憧れて、自分も取り入れていきたくなる。逆もまたしかり。

 

本当の意味で満足できる自分になれるのはいつだろう?

 

課題だらけだなー。